2.土台を作る
05/15
基礎工事が終わって土台部分に取りかかった。自然石の土台も考えたが材料集めにしても、技術的に見ても、時間と労力が掛かりすぎる。ブロックで我慢することにした。
昼になって弁当を忘れたことに気付いたが、工房の冷蔵庫に残っていたコンビニの食パンを囓った。これも美味しいパンを食べるためだ。
3段で終わりだが、疲れてきたので今日は2段でやめた。
05/16
土台工事2日目。残り1段を積んで脚の部分は終ったが、ブロックの穴にコンクリを流し込まなければいけない。これが結構ホネだった。何事も見えない部分が大変なのだ。
これからいよいよ土台の主要部分、アーチにかかるが、その前にアーチの型枠を作ることになる。これも見えない部分だ。
工事に着手した3日前の筋肉痛が出てきた。
05/17
今日は工事としての進展はない。アーチの型枠を作った。これを設置した上に赤煉瓦を組んでいくことになる。この型枠は石窯本体の天井部分のアーチにも使えるようにしている。というか、窯用のアーチ枠を土台にも使えるように土台を合わせたわけだ。これで土台のトンネル部分が見えてきた。これからが楽しい仕事になってくるのだが本業の窯の方も忙しくなってくる。ペースダウンはやむを得ないだろう。(今までも本業の片手間でやっていたわけで・・・誤解のないように・・)
明日は助っ人がいるので期待しよう。今日も煉瓦運びを手伝ってもらったがあっという間に終わった。人海戦術ってすごいもんだ。
05/18
設置した型枠の上に赤煉瓦を下面が離れないように並べ、開いた上部に煉瓦の欠片などを詰めてアーチに組んでいく。組み上がったら目地にモルタルを詰めて型枠を外す。この作業を繰り返して一列ずつつなげていく。というわけだが、今日は強力な助っ人陣のおかげで私の出番はほとんどなかった。土台アーチ部分完成。
期待以上のできばえだ。
手は出さなくてもビールは旨かった。何しろ小僧さんから釣りたて天然鮎の差し入れがあったのだから。これだけでも石窯を作る甲斐はあった。
05/20
見事なできばえだったアーチも、周りを囲う赤煉瓦の枠の底に沈む。文字通り縁の下の力持ちになってもらうことになる。土台部分も大分完成に近づいてきた。この上に窯ができる。今日の作業で、その1で描いたイメージが具体的になってきたわけだが、最終的なデザインはまだ決めていない。
05/21
赤煉瓦で囲った後、アーチが埋まるまでコンクリを流して土台がほぼ完成した。この上にモルタルを塗ってレベルを出せば終わりだ。いよいよ石窯本体の工事になるが、土台がしっかり固まるまで、この状態で4〜5日養生させようと思う。
05/24
工事はしばらく休止中だが、グッチさんのご主人が扉の取り付け金具を作ってわざわざ持ってきてくださった。温厚そうな方だったがこの金具を見てちょっとビビった。この人ただ者じゃない。
でも本当にビビったのは帰られた後だった。窯口の両側に2段ずつこれを埋め込むわけだが、これはとんでもなく精巧に(おそらくミクロン単位で)できた金具なのだ。2段に埋め込んだ2つの金具の心棒が、寸分の狂いもなく、一本の心棒で繋がっているように、しかも完全に垂直になっていなければ軋んで動かないだろう。素人が手作業で・・そんなの絶対無理だ。
どうしようと思って眺めていたら、一対になっている金具の心棒が違っているのに気がついた。どうやるのかは分からないが、これは狂いを調節するための仕掛けじゃないのか。素人仕事に狂いが出ることぐらい当然読み込み済みだったに違いない。きっとそうだ。多分・・・そうだと・・思う。
5/27
金具に関しては、狂った分は真鍮部分を削って調節するのじゃないかと思う。するとその分ガタがでるからせっかくの金具に申し訳ない。できるだけきっちり合わせるよう「垂直志向」することにする。
モルタルを塗って土台部分が完成した。
6/03
時間と天気の関係でなかなか石窯本体の工事に入れないでいるが、実はもう一つ理由がある。この上に被さっている山桃の木3本を伐っておくかどうか迷っていたのだ。今伐っておかないと石窯ができた後ではもう伐れない。しかし伐るとなると大仕事になる。下に電線と電話線も通っているから、倒し方も難しい。といって伐らないでおくと煙突の問題がある。また桜の木も閉塞状態になって確実に弱っていくだろう。
思い切って伐採することにした。ヤマモモ3本とカクレミノ1本。乾燥させて薪にすれば来年あたり、石窯の燃料に使えるかもしれない。
6/07
最後の1本の伐採完了。薪にできるよう40センチぐらいに切断した。